叱る

昨夜、受験生にかなり厳しく叱った。

叱るのは本当に難しい。感情に任せて叱ってはいけない。かといって、叱るときは本気で叱らないといけないのである。

2学期になって、結構な回数、繰り返し伝えた、ある用語を半数以上の者が答えられなかった。

「昨日、オレ、かなり厳しく怒ったな。どう感じた?」ある男子生徒に聞いてみた。

「当然かなって思いました。」

「と、いうと?」

「復習が足りていなかったということです。」

今日、数学担当のK先生が、この生徒を評して、

「Y君は何か吹っ切れたように感じます、こうして質問に来てくれるようになったのは。去年まではそんなことはなく、どちらかというと黙っていることが多い子でしたから。」

今年度、かなりの時間、個別に話し、あれやこれや、指導している一人だけに、この言葉を大変うれしく感じたのである。彼に伝えてある言葉、

「プライドが高いのは問題ない。ただ、高いプライドを持つにふさわしい努力を自分に課し、それをやり切って人間的にレベルアップを果たすこと」

その努力を始め、人間的成長につなげてくれた結果が、K先生の言葉につながっているのだろう。成績の伸びも著しい。

別の生徒に同じ質問を投げかけた。

「いや、突然やったんで、ビビりまくりました。」

「そうか、ビビりまくったか。」

「はい。」

明るく人懐こい、この男子生徒は、笑いながらそう答えてくれた。

別の女子生徒、昨夜の最終授業が終わったとたん、走り寄ってきて、こう尋ねた。

「先生!もしかしてお母さんに電話なんかしてませんよね?」

「電話?してないけど。」

「あー、よかった。また、お母さんに叱られるかと思いました。」

ビビりまくらなくてもいいように、お母さんに叱られなくても済むように、しっかり復習、繰り返し復習。それが実力アップのための王道なのだ。

反省し、悪いところは修正し、正しいやり方で学習する。

その努力を塾生全員に求める。

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