あり得ない

三平方の定理が出題されない数学の高校入試など、今まであっただろうか。

関係代名詞が出題されない英語の高校入試など、今まであっただろうか。

7/8日付の京都府教育委員会と京都市教育委員会連名での広報資料を見て大変驚いたのである。

出題範囲が狭まること自体は想定内である。休校が3か月にも及んだ以上、やむを得ない措置であろう。

夏休みを短縮し、さらに夏休みの午前中に補習授業を行い、学校によっては、7限授業を実施しているところもある。それでも、数学で三平方の定理、英語で関係代名詞を出題しないという決定がなされた。

しかるに、社会は、公民分野で「私たちと国際社会の諸課題」のみ除外とある。現在通ってくれている塾生は四中学校。そのすべてで、中3生は歴史を学習中である。公民に全く手が付けられていない現状、果たして、その部分の除外だけで済むのだろうか。

憲法、人権、社会の多様性や、グローバル時代、AI時代の到来における働き方や経済の仕組みなど、学ぶべき事柄は多岐にわたる。上っ面の内容をさらっと学習したように見せることはたやすいが、その学びが本来的なものでないことは明らかであろう。それでなくても「暗記科目」という烙印を押されがちな教科である。理解させることは二の次で、ひたすら暗記させる、といったことになっては元も子もない。

あり得ないことが起きるコロナ禍における入試対策は、経験は活かしつつ、どんな変化にも柔軟に対応できるような臨機応変さが求められる。これだけは、間違いなさそうである。

前の記事

若者言葉

次の記事

勝負の土日