言葉
昨日、学期末テスト対策の最終日、中3生に伝えた。
春期講習初日、宿題を書き留める帳面の最初のページを空けておくよう指示してあった、その部分に書かせた言葉。
離見の見(りけんのけん)。
能の大成者、世阿弥の言葉である。
演者である自分が能を舞う。舞っている自分を、観客はどう見ているか、どう見えているかを想像すると、足りない部分、さらに工夫を凝らすべき部分に気が付くことにつながる。そうしたことを表した言葉であろう。
自分の視点で見る事象、事実を、相手からの視点に立って見たとき、見え方、捉え方が変わる。さらに、第三の視点で自分や相手を見たとき、自分を客観視することさえも可能となる。
異なる観点から眺めることや、別の視点から自分の言動を確認してみること、こうした見方があることを知り、それを実践することによって、視野が広がり、相手を思いやる心も持ちやすくなる。
ゆっくり解説する時間的な余裕はなかったが、何人かの心には響いてくれることを願う。